仕事柄、塀が越境している、建物の軒が越境している、枝が越境しているなどちょいちょい遭遇します。
でも今回は我が家の塀がお隣に越境している問題です。
これは僕も社長も生まれて初めてですね。
お隣の土地が売却され、建物や擁壁を壊し、現在は宅地四つで分譲されています。
売却前に境界の立ち合いを依頼された時には既設の杭で確認しました。
問題の箇所ですが、立会確認した時は我が家の塀の外側、お隣さん側からコンクリートの杭が設置されていました。
多分わざとだと思いますが、すぐ横に植えられた木に押されてこちらに軽く食い込んでいましたが、まあ多少のことならいいかとその既設のコンクリートの杭の位置で承諾しました。
その既設のコンクリートの杭ではこちらの塀が数ミリ越境している感じでした。
今回お隣の造成工事で、我が家の塀のすぐ横を掘りこんでお隣さん側に新たに塀を立てるということに、その流れで我が家の塀の一部を壊してもらうことになったそうです。
なぜそうなったかは社長が話していたので知りません。
この個所です。
塀を一部壊され、同時に杭も抜かれました。
まあそこの塀を壊せば当然なくなるだろうとは思っていました。
でも大丈夫です、道路にある基準点から全く同じ部分に復元ができるのです、測量士の資格をもっているのでわかります。
ですので全く心配していませんでした。
お隣の敷地に設置されていた立派な擁壁を壊すのにかなりの時間かかっていました。
作業中はかなりの音と振動です。
でも解体はお互い様ですので問題ありません。
解体が終わり造成工事も終盤に差し掛かったころ、前回立ち会った測量士とは別の測量士が杭の復元の挨拶に来ました。
僕も測量経験者なので、測量士がここでおかしなことをして杭の位置をかえたところで何の得にもならないのはよくわかっています。
立会は必要ないので勝手にやっておいてください、とお願いしました。
そしてある時、新しく設置されている杭を発見しました。
新しいプレートが我が家の壊された塀の基礎の上に乗っていました。
工事前は数ミリだった我が家の塀の越境が、工事後には2センチを軽く超えています。
たしかあのプレートは5センチ幅だったと思います。
測量士が問題になるような位置にわざわざするわけがないので、これは位置は正しいです。
ということは塀の方が傾いてしまったわけです。
とりあえず測量士か造成工事をした会社の出方を待っていたのですが、まったくコンタクトがありませんでした。
そうしているうちに新しい境界プレートに社長が気づきました。
社長「境界がおかしい!」
あ、とうとう気づいたか。
よ「え?なにが??」
社長「プレートが変なとこに入ってる!測量がおかしい!!」
よ「そんなわけないでしょ、測量士がここで数センチ杭をこちらに移動しても何の得もないでしょ。」
社長「じゃあなんだっていうの!」
よ「そりゃ塀が移動したんでしょ。」
社長「?!」
よ「あれだけドンドンやったり、塀の横を掘りこんだりしたんだから傾くのも当然でしょ。」
社長「・・・」
よ「どうするの?塀が傾いて弁償してもらうの?」
社長「・・・それはできん、お客さんだし。」
よ「じゃあまあ向こうから言ってきたら覚書だね、でも普通にもらうんじゃなくてちゃんと塀が傾いた結果ってのを言わなきゃいけないよ。」
などと宥めたわけなのですが、それからも一向にお隣さんからのコンタクトがないまま分譲地の売り出しが始まりました。
ちょっと考えられないですけど越境のまま覚書なしで売るつもりでしょうか。
現所有者の方なら事情も分かっているだろうからいいだろうけど、土地が売れて所有者が変わったらちょっとめんどくさいなと思っていたら、仕事からの帰宅時、測量士が現地に居るのを発見しました。
よ「あ、測量士が居るよ、話しなきゃ!」
社長が測量士に声をかけに行きます。
僕はねろ様を車から降ろして自宅へ連れ帰り急いで測量士の元へ向かいます。
社長「覚書もらってくれるって。」
笑顔で伝えてきます。
よ「覚書?どういう話??」
まったく話が見えません。
よ「ちょっとこっち来てもらえます。」
現物を見ながら話したいのでプレートの位置に来ますが、測量士が上がってきません。
よ「ちょっとここに来てもらえます??」
測「ここで見えますから。」
うそです。下からでは絶対に見えない場所です。これで対応の仕方を決めました。
よ「はぁ?いいから来いって。」
しぶしぶ上がってきました。
よ「これね、ここの位置はもともとブロックがあってその外側にコンクリートの杭が入ってたんだよね、知ってるでしょ?」
測「はい、入ってましたけど、」
よ「写真とかないの?」
測「ないです」
よ「え?解体前に写真撮ってないの??」
測「あ、撮ってあります、今はないです。」
よ「あー、会社にはあるのね、じゃあわかるでしょ明らかに塀との位置関係がおかしいのが。」
なんか、測量士の人、塀を手でトントンしだす。
よ「なに?イラついてんの??」
測「いや、べつに、この位置は道路にある基準点から出しているので、」
よ「あー僕も測量してるんでその辺の説明要らないです、わかってますから。」
測「・・・」
よ「僕も測量士さんがわざわざこんな揉める位置に設置しても何の得にもならないのはわかってますよ。」
測「そうなんです、むしろ塀の外に設置したいくらいで、」
よ「てことはなんですか、これ、工事の前と後で塀が動いたということですよね?」
測「・・・何らかの人為的なことで動いたのかも、、、」
よ「そうですよね、あれだけ掘りこんだり、あれだけドンドン振動していたら塀も傾きますよね。じゃあこちらがただ越境しているってだけの覚書では困りますよ、そちらの工事の結果塀が傾いて越境しているってことにしてもらわないと、そう伝えておいてくださいね。」
録音していたわけではないので、たしかこんな流れでした。
せっかく嫌な奴を演じで頑張ったのに、僕が立ち去った後、社長がなかなか帰ってこないなと思っていたら「越境問題はたいへんよね、うちも今何件もかかえているのよ、おほほほほ」などと談笑してきたそうです。
翌日ブログ用に写真を取りに行って気づいたのですが、壊された塀の基礎と残っている塀との間に2センチの程の隙間ができていました。
やはりそれだけ傾いているということですね。
大きい地震など来ないといいのですが。
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